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のったりのたりと

V6の坂本さんを中心に、アイドルさんたちを

アイドルでいること

アイドル ジャニーズ 坂本昌行

アイドルさんはアイドルでいることを悩む生き物らしい。

 

私は自担に落ちるまで、そういうことを考えたことはなかった。

完全なるお茶の間のドル好きで、ただテレビの歌番組を付けたときに、そこに出ているアイドルさんたちのパフォーマンスを楽しんでいただけのころは、そこで歌って踊っている人たちが何を思いどういう考えを持ってアイドルをまっとうしているのかなどということは、まったく思いを馳せなかった。

今度の曲は可愛いなとか、この衣装が好きとか、この振付おもしろいなとか、テレビの向こうから提供される作り上げられた楽曲とパフォーマンスを単純に楽しんでいた。

そして私が子供のころは、長くはない年数で、多くのアイドルさんたちがテレビでお歌を歌ってくれなくなってしまうことを悲しく思っていた。

 

坂本さんに落ちた瞬間は、それを提供している人が生身の人間だということを、テレビのこちら側に居て、初めてリアルに受け取った瞬間だったのだと思う。

あの時の坂本さんは、きっちりアイドルの顔でテレビに映ってはいたけれど、ただならぬ何かがその向こうにあるような感じがして(骨折だったんだけどね)、ものすごい引力で引き寄せられてしまった。

 

それからは、ずっと坂本さんを担当さんとしているわけだけれど、そもそも坂本さんはアイドルでありたい人なのかなというと、そうでもないかもなあと思ったことは、実は何度もある。

だって坂本さんが芸能界でやっていきたいという気持ちを固めたのは、始めてミュージカルの舞台に立ったときだと言うし、坂本さんの個人的な目標はミュージカルアクターだ。少なくとも国民的アイドルが坂本さんの夢だったり目標だったりしたことはない気がする。彼の発言やインタビュー記事で、トップアイドルになりたいみたいな言葉は、記憶に残っていない。

 

坂本さんが語ったことのある夢で思い出せるもの。

帝国劇場に立ちたい。日本人のカンパニーでブロードウェイに行きたい。少しでもミュージカルを広めたい。舞台の上で死にたい。小料理屋をやってみたい。

すぐに思い出せるのはこれくらいだ。この文脈のなかでアイドルになりたいという思いを探すのは難しい。

 

そもそもがお試し気分で事務所に履歴書を送ったという坂本さんは、オーディションに受かったことに満足して最初はレッスンに行かなかったという。

放置してると電話がかかってきて、レッスンに来るようにと言われるから行ってみたけれど、居心地が悪かったのかなんなのか、レッスン中におしゃべりしたりしていたら、振付師の方から出て行けと言われ、そのまま素直に帰ったのだという。これがレッスン初日のお話である。

なんというか、少なくともオーディションに受かった!デビューして芸能界のトップを目指すぜ!みたいなジュニアくんでなかったことは確かだろう。

V6さんでデビューのお話も、断ろうかと悩んでいたらしい坂本さん。24歳で新人アイドルは、当時の感覚では「なし」だろうと思っていたようだ。

しかしこれを断って事務所に居座ることはできないと思いつめてもいたらしい。今ならこれはありな選択だと思うけど、当時はまだ高齢ジュニアっていなかったし、ジャニーズ演劇班もなかった時代だ。

ましてやリーダーは自分の性格的に無理だと思っていて、だからV6さんになるのはお断りして事務所をやめるか、V6さんになってリーダーを引き受けて「なし」だろうと思っていたアイドルになるのか。坂本さんの中では、どっちかを選ばなくてはならない状況だったことになる。

デビューには「絶対無理」と思っていたリーダーとしてという肩書きが付いていて、それを引き受ければ自分は壊れて行くとまで思いつめても、

それでも、アイドルになりますか?

 

人生の選択は重たいな。少市民な私なんかもう想像だけで追いつめられている感覚になれるよ。

アイドルさんたちのデビューって、おめでたいことだと思っていたけれど、どうもそれだけではないらしい。

坂本さんは自分のデビューを一番喜んでくれたのは、事務所のスタッフさんだったと語ったことがある。それって親兄弟にしてもおめでとうって簡単に言えなかったということではないだろうか。

 

あれから20年、坂本さんはアイドルである自分は、周りが許してくれるからアイドルでいられているというようなことを語っている。

アイドルとして求めてもらっているから、アイドルでいるっていうことだろう。つまりアイドルの坂本さんにもファンがいるから、坂本さんは今もアイドルしているということなのだと思う。

逆を言えば、求められていないならアイドルしないということだ。

V6さんは20周年で、今迄になくこれまでとこれからを大量のインタビューで語っている。求められていれば続けたいと語っていたメンバーは他にもいた。

逆を言えば、求められなくなったら終わりにしましょうということである。いつまでも求めてもらえるなんて、彼らはそんな甘いことは考えちゃいないらしい。

 

しかしそこでふと思うのは、アイドルでありたいという当人たちの確固たる意志というものはないのだろうかということだ。

じゃあなんでアイドルなの?

好きにさせちゃった責任があるから。これは三宅健くんの言葉である。重い。アイドルであることに誇りを持ってくれと仲間に向けて言える彼は、ある意味とても覚悟の決まった人なのだろうな。

 

そうだね、確かに彼らがアイドルやめますと言えば、泣く人も怒る人も打ちひしがれる人もたくさんいる。なんなら国民的重大事件にまで発展してしまったりするケースだってあるのだ。このところの出来事でそれは嫌ほど思い知った。

 

アイドルは偶像と訳すことが出来る。

偶像はなりたい人が誰でもなれるというものではなく、やりたいからやるというような自発的な感情だけではいかんともしがたく、逆にやめたいからやめるということが容易にかなうものでもない。

それだけ沢山の人の思いを受け止めているから、それを振り切ってここからいなくなる選択をすることは、ものすごくしんどそうだし精神力がいることだろう。

 

だけどさ。

ただ求められているからという理由だけでアイドルで居続けるのだって、すごく苦しくそうじゃないか。

だからオタとしては、彼らがアイドルというお仕事を、根っこのところでは楽しんでくれているようにと、心から願っている。

いろいろ表に見えないところでは、きついこともあるだろうけどさ。やっぱり楽しいって、コンサートでファンの笑顔を見るだけで、一生生きていけるって思えると、イノッチくんは言ってくれた。

 

坂本さんのことを考えると、アイドルだという肩書が彼の中でどんなふうに消化されているものなのか、今でも時に不安になる。

けれど、少なくとも、歌うことと踊ることとお芝居をすることは大好きということらしい坂本さんなので、アイドルでいて嫌なことばっかりってことはないのだろうと想像している。願っている。

 

そんなふうに、オタは彼らが雑誌で語る言葉や、ステージの上でのふるまいの一つ一つ、テレビでの表情をつぶさに見つめながら、答え合わせをするみたいに彼らのことを考えるのだ。

 

そんな私がアイドルさんたちにこれだけはと望んでしまうことは、元気でいてね、ということだ。

身体も心もすこやかに。

そりゃ不慮の事故だの病気などはしかたがないけれど、重荷を背負いすぎて気持ちから病んでいくような姿はできるかぎり見たくはない。オタだからそういうときもはらはらしながら見守るけれど、できれば楽しく幸せそうでいて欲しい。そういう姿をこちらも楽しく応援していたいのだ。

そして身体の健康。歌う声を守るため、踊る体を持ち応えるためにも、健康でいていただきたい。 

それなりの年数を生きてきたので、自分が坂本さんの担当でいられなくなるときとして、一つ明確に想像できていることがある。

 

それは彼が自らの手で、その声を壊してしまった時だ。

不可抗力で失われるものなら仕方がないけれど、自らそんな事態を招くような振舞いをされたとしたら、それだけは許せる自信がない。この点に関しては私はエゴイスティックだ。

 

たぶん加齢は大丈夫だと思うんだよね。私の場合、好きなアイドルさんは上は、ささきいさお様やジュリー様や布施明様などと、かなり広がっているので、若さがすべてとは思いません。年を重ねた方々の歌にも味わいがございます。そこを基準にすると坂本さんだってまだまだお若い人ですから。

だからこれからも、すこやかでいておくれよ。

 

なんだか妙な文章を書いている自覚はあるのだけれど、連日のスポーツ新聞一面記事やらワイドショーの分析なんかが続いていたので、気持ちがそちらに引っ張られてしまっています。

こんなときなので、錦織選手にはぜひ全豪オープン優勝してほしいし、琴奨菊さんには今場所優勝して、十年ぶりの日本人力士優勝を飾っていだたきたいです。そろそろスポーツ新聞も平常営業になっていいころだよ。

 

そして彼らにも、疲れをいやして笑顔を取り戻せる日が訪れることを願います。