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のったりのたりと

V6の坂本さんを中心に、アイドルさんたちを

ウエスト・サイド物語、その呪縛

ジャニーズ事務所における、「ウエスト・サイド物語」のお話ではなく、個人的な思いをお話したいと思います。

 

このたび坂本さんがミュージカルコンサートを行うということで、個人的に自分の中でのミュージカルへのこだわりというものを、改めて整理していきたいと考えています。

 

まず始めに、私はいわゆるミューオタという人ではないです。正確に言うと、ミューオタになりたいなと思いながら、ミューオタになれない自分というものを自覚している人間です。

しかし体質的にはミューオタの種類。人生の積み重ねの結果、芝居中に歌い出さない舞台(ストレートプレイですね)というものに、違和感を感じる人間になってしまっております。

自担と一緒だよ♡って、嬉しくないんだけど。

 

よくあるパターン、恋に落ちた二人が見つめあって、バックにはロマンティックな音楽が流れると、普通のお芝居では二人の唇が近づいて暗転、となります。

その瞬間脳裏をよぎる、何でここ歌わねーんだ?という疑問。そりゃストレートプレイだからね、歌わないよね。(残念)バックミュージックが素晴らしいとよけいにそれを感じてしまいます。

頭では解っているのですけれど、肩すかしをくらったような残念感が止められないのです。ミュージカル脳になっちゃってるんですかねえ、これかなり不便です。ドラマも映画も舞台も、常に何で歌わねーのが付きまとう。

歌わないのが普通でしょう。むしろ何で歌うのか?というのが、ミュージカル苦手な人のご意見ですよね、もっともだと思います。でも歌って欲しいの!そーゆーもんなの!としか言いようがない。

 

なぜそんな身体に~という後天的理由は、自腹で見に行く舞台の多くがミュージカルだということ。そして坂本さんを担当にしつづけた結果がこの状態に拍車をかけたと言えます。ですが、それよりももっと昔に、この状態を招いた原因があるのです。

それが「ウエスト・サイド物語

 

作品についてはあまりにも有名なので語る必要はないでしょう。ジャニオタ的にも押さえておきたいミュージカル映画の一つ。私は子供のころから一番素敵な映画は、「ウエスト・サイド物語」と信じて生きてきました。理由は親がそう言うから。

そう、刷り込みです。

 

ジャニーズ事務所の設立のきっかけとなったといわれるこの作品、流石にこの映画が一世を風靡していたころは知らない世代なのですが、私の親世代は、まさに青春時代にこの映画に衝撃を受けた世代であるらしいのです。

おかげさまで子どものころからテレビの再放送があるときには、必ずこの作品を見るという習慣がございました。親に言わせると、未だにこの作品以上に格好良い映画はないそうです。一番素敵な映画は「ウエスト・サイド物語」。

幼いころから、それが常識のように語られてきたためなのか、私、実際に映画館で見たことがある映画は「ドラえもん」「ゴジラ」「シンデレラ」とかいう年齢から、一番なのは「ウエスト・サイド物語」だと思って生きてきてしまいました。

それが真実なのか、自分で確かめることもなく、そう思って生きてきたのです。

 

年を重ねれば自分で見たい映画を選んで見に行くようにはなったのですが、結局、一番素敵な映画は「ウエスト・サイド物語」という刷り込みは、未だに上書きされずに生きております。

「東京タワー」も「SP」も「永遠の0」も見たんだけれど、ごめんよ岡田くん。幼い子供時代に刻み込まれた感覚ってなかなか変わらないものですね、やっかい。一回くらいミュージカル映画に出てくれないかなあ。

 

そういうふうに育っちゃったので、大人になったら「ウエスト・サイド物語」というものの原点、ミュージカルの舞台版を見るべきだろうと思うようになり、自分でお給料をもらえる身になってから、実際に見に行きました。

見に行ったのは来日公演、それはもうワクワクして観劇にいどんだのですが、結果は‥‥‥微妙。

だって映画と違う。(当たり前だろう)トニーもベルナルドもあんまり格好良くないし、マリアが可憐な乙女に見えないじゃない!(映画と比べるなと言うのだ)演奏ももっと迫力あるはずだよ!(無茶を言うな、オケの本数が違うわ)なんかちょっとがっかりね、というのが舞台でこの作品を見た感想でありました。

それでも懲りずに、キャストが変われば感想も変わるかもと思って、また違う年に見に行き、3度ほどそれを繰り返しましたが、やっぱり何度見ても何か違うになってしまう。

結局、私の好きな「ウエスト・サイド物語」というものは、映画の中にしか存在しないのね、という悲しき悟りをひらきまして、その後は舞台があっても見に行かないという選択をするようになりました。十年ほど前に上演されましたジャニーズ版も見ておりません。

 

ただ、あの時ジャニーズ版を演じたのが坂本さんだったとしたら、見に行っていただろうし、舞台の「ウエスト・サイド物語」をもしかしたら好きになれたのかもしれないなあという、一抹の未練みたいなものは残ったわけです。

でもジャニーズ版であの作品が上演された年に、坂本さんが演じたのは「NEVER GONNER DANCE」と「ボーイ・フロム・オズ」。

どちらも大好きにな作品ですから、「ウエスト・サイド物語」に坂本さんのご縁がなかった悲しさより、この2作品を坂本さんの主演で日本上演してくれて、観劇することができたことの喜びが、現実的には勝ります。

特に「ボーイ・フロム・オズ」は、ヒュージャックマン様の来日公演なんて望めなかったでしょうし、東宝さんや四季さんが買うとも思えない作品だったので、心の底から上演されて良かったよーと思ったものです。

 

本当は、「ウエスト・サイド物語」の舞台版で、しびれるような感動体験をしたかった。そこに自担が関わっていたとしたら、どんな気持ちになれたものか。けれど、きっとそれは幻を追いかけるようなものなのでしょう。叶わぬからこその夢であるという種類の、夢なのだと思います。(なんか悲しくなってきたな)

 

アイドルとしての坂本さんに落ちて、オタになったのは確かなのですが、オタで居続けているのは、坂本さんがミュージカルを好きな人で、ミュージカルの舞台に立ってくれる人だからということが、私にとっては重大な要素の一つです。

 

坂本さんの好きな作品が、私のこだわりの作品である「ウエスト・サイド物語」だということも、坂本さんを好きでいる大切な理由の一つです。その想いに共感できるからです。

もちろんこちらは完全に観客としての視点でしか作品を捉えることしか出来ませんが、坂本さんはこの作品に参加できるとしたらと言う視点で、この作品についてを捉えて、語ってくれます。

 

最近の雑誌でも好きな映画に「ウエスト・サイド物語」をあげていらっしゃいました。

最高峰の作品だと、初めて見た時にはレベルの高さにショックを受けて、同じ場所に居たくないと思ったと語っていました。今回のインタビューではそれ以上は掘り下げがなかったのが残念です。

 

過去の雑誌では、「ウエスト・サイド物語」に参加できるとしたら、どんな小さな役でもいいよ、とも語っていました。その世界に入りたいというようなことを語ってた。同じ場所に居たくないと感じたときよりは、自信を付けられたのでしょう。

 

また別の昔のインタビューでは、坂本さんはかの作品の中で気になる役はアイスだと語っていたことがあります。

アイスは脇役ですが「Cool」という格好良いナンバーをメインで歌える美味しい役どころです。でも脇役。ウエストサイド物語の男性役でメインになるのは、トニー、ベルナルド、リフ。

その頃の坂本さんであったなら、私が演じて欲しい役は断然ベルナルドだったので、アイスが気になっているという坂本さんに、オタとしては物足らなさを感じておりました。

どうせ願望なのだから、何でもっと重要な役をやりたいと言わないのかとじれったく思いながら、でも願望でもいいかげんなことは言わない、それが坂本さんらしさかなと思い、でももっと貪欲でもいいのにと歯がゆく思いました。

 

しかし坂本さんが年齢を重ねて行くにつれ、素敵な作品を見せてくれるにつれて、「ウエスト・サイド物語」を見たかったなという気持ちも薄れて行っておりました。

そしてほとんどそんなことは考えなくなり、某劇団で上演が繰り返されている「ウエスト・サイド物語」も見に行く勇気は、持てないままに年月は過ぎていきました。

 

そんなころ、坂本さんが久しぶりに雑誌で「ウエスト・サイド物語」について語っている記事を見ることがありました。

演じてみたい役に、坂本さんはトニーを上げていました。

ぐっとくるものがありました。嬉しい言葉でした。

なんというか、やっとここまで来たんだという感じだったのです。それだって願望のお話でしかないけれど、どんな端役でもいいと言っていた坂本さんが、アイス役に興味があると言っていた坂本さんが、トニーをやりたいと語っている。

ミュージカル史に金字塔を打ち立てたとか大仰なことを言われるこの作品で、中心に立つ役をやりたいと言葉にできるくらいに、坂本さんの意識は変わってきたのだと、そんなふうに解釈させていただきました。そのことが嬉しかった。担当の成長はオタのなによりの喜びです。

 

おそらくは、この先も坂本さんが「ウエスト・サイド物語」を演じる日が来ることはないだろうなと思っています。

現在日本でこの作品の上演権を持っている所とジャニーズ事務所は交流がない状態ですし、今の状況が劇的に変わることはないだろうと思います。そもそもあそこの上演スタイルが性に合わない私にとっては、あそこの舞台に立って欲しいとは素直に思えません。

 

何よりこの作品は、若者の内にくすぶる行き場のない怒りが根底にあってのものですから、今の坂本さんに演じていただきたいとは、ちょっと思えないです。

メンタル的なものを考えると、年長のジュニアくんたちぐらいの年齢の役者を集めて上演するのが一番はまるでしょうが、そうすると技術面、演技面が追いつかないだろうな。

だから舞台版の「ウエスト・サイド物語」を愛することは、私にとっては変わらず見果てぬ夢のままなのだと思います。

 

でもずっと担当さんとしてきた人が、自分にとって特別な思い入れを引きずっている作品を好いてくれていて、真中をやりたいと言ってくれた。

 

そのことに、勝手に報われたような気持になりました。そろそろこの作品の呪縛から、自分も解放されてもいいころだと思っています。

舞台版の「ウエスト・サイド物語」を好きになれる日は、永遠に来ないかもしれないけれど、それでも、

一番好きな映画は、「ウエスト・サイド物語」。