のったりのたりと

V6の坂本さんを中心に、アイドルさんたちを

ONE MAN STANDING Ⅰ

オープニングは華やかに

 

初めて入ったオーチャードホールは、クラシックの殿堂と言われるのが解る天井の高さでした。緞帳も大きく、重厚感のあるホールですね。

今回のコンサートは、この大きな緞帳の上部分に、歌われた楽曲のタイトルと、作品、上演年がふわりと明りで表示されるという、とても親切でありながらお洒落な演出がありましたのですが、初日に入らせていただいた私は、まるっきりこれに気付きませんでしたよ!(視野が狭い)初日はどうやらひたすらにステージだけをガン見してしていたようです。

 

30分前の開場、早々に座席に着いたのは良いのですが、暇。

いつもはパンフレットを読みながら開演を待つ時間、今回はパンフレットも物販もないので、ひたすら待機。

なんだか落ち着かない。お連れさんもなんだか緊張気味で、会話が弾みません。(苦笑)お客さんで見に来ているわけですからこっちが緊張するような筋合いはないのですが、何故か初演の舞台を見る時よりも緊張してしまっていました。

どんな始まりなのか、どんな公演になるのかと思いをはせながらも、目の前に開演時間が迫っていると、気軽に予想するような心境にもなれず、ひたすら待機。

 

やがて幕の向こうから軽く楽器の音合わせが聞こえてきて、それもやみ、客電が落ちると、自然と会場がふっと静まりました。

 

ドラムロールが鳴りだすと共に、幕が両サイドに引き上げられるように開き、「レディース&ジェントルマン~」と客席にショーの始まりを告げる声が響く。

全体にダークブルーを基本とした照明の中、ステージの奥を締める大きな階段、両サイドに並ぶビッグバンドの皆様。その外側に街灯が数本ずつ左右に並んでいる。ピアノはステージの下手側。階段、センターの最上部に軽く踊れるくらいの空間、階段の中ほどにも踊り場があります。

中央の階段の奥にコンサートのロゴマークが大きく浮かび、バンドの方の足元にも同じロゴのカバーがが飾られています。

オープニングを飾る楽曲は、聞き覚えのありすぎ。

 

「Not The Boy Next Door」(THE BOY FROM OZより)

思わず息をのみました。

オズのオープニングと同じフレーズでスタート。バンドの皆さんの演奏も素晴らしく、オズ、初演の感動が瞬時に蘇ります。あのときのバンド演奏も素晴らしかったのですが、今回も素晴らしいよ!

 

オズの舞台ではこのイントロ部分の演奏からテンポを下げて別の曲に繋がるのですが、今回はそのまま両そでからアンサンブルの皆さん方がステージに踊りだしてくる。男性陣はブラックスーツに白シャツ、細いブラックタイ。女性陣は黒を基調としたショーガール風の衣装、黒い網タイツにハットとアダルトないでたちです。

そして歌に入るとき、階段の上段にスポットライトを浴びた坂本さんがさっそうと登場。衣装は記者会見の時の光沢のあるダークネイビーの細身のスーツに、細い黒のネクタイ。スーツは影になる部分はブラックに見える、光沢はあるけど渋い布地。

歌い始めたのは「Not the Boy Next Door」です。

 

舞台では一幕最後に歌われたこの曲。「俺は特別な男さ」と歌ったピーターは、このとき妻と別れ仕事もなくて、故郷のオーストラリアに戻っている。彼の手元にあるのは自分の信じる才能とそれを信じてくれる母親の愛情だけ。

現実的にピーターがアメリカのショービジネス界で成功を掴むのはその後のお話です。ピーターは一人ステージをかけながら何かに挑むように少し粗っぽく、強く歌っていたように思います。

 

坂本さんは階段を下りながら、途中踊り場のところでしばし歌い、舞台に下りてきて豪華なアンサンブルメンバーの中心で歌います。途中からはダンスにも加わり、華やかなショーのスタート。

坂本さんの歌声がピーターとして歌っていたときよりも声音が明るく、軽やかに抜けるように響いて聞こえる。歌詞は舞台の時とは翻訳が変わっています。

「夢に見たこの場所、俺は一人立ち」

この歌の中の男は夢を掴んでいざその場所に立った上で、「だれもマネできないただ一人の男さ」と歌っている。

 

この曲を、初めてのソロコンのオープニングで、坂本昌行さんが歌うんだな。(すでに感無量)

ピーターではないんだと、あたりまえだけどこのコンサートの方向性をオープニングではっきりと意識した。

一曲目を歌いあげ、客席から拍手を浴びた坂本さんは、すぐさま次の曲へ。

 

「You  Mustn't  Kick It  Around」(Pal  Joey)

続けて披露された曲は小粋なナンバー、ここでは男性アンサンブルさんがはけて、女性アンサンブルさんと坂本さんで歌い踊る。

 

舞台では坂本さん演じるジョーイとクラブの女の子たちが次々からんでいくダンスシーン。男性キャストとも踊ってたっけ。歌は途中から女性キャストが引き継いでいたのでジョーイの歌は、残念ながら自分の記憶ではそこまで鮮明に覚えていなくて、逆に新鮮に聞きました。

 

このステージでは坂本さんがまるっとソロで歌ってくれる!

黒い網タイツ姿のもセクシーな女性アンサンブルの皆様に囲まれて、軽く絡んで女性陣にきゃっと声を上げさせたり(演技です)、いたずらっぽく笑みを見せたり。

女性陣と並んで腕を組み足を上げて踊る坂本さんはジョーイよりちょっとおちゃめな表情に見える。さりげなくやっているけれどなかなか運動量が多いダンス。歌いあげ系ではなく、あくまで小粋に魅せて聞かせる歌。レトロ感があるけれど、音楽のアレンジのおかげで古臭くは感じない。

今、こういう歌をテレビサイズで見られる機会ってほんとに少ない。というか最近のミュージカルの主流でも、こういう系統の歌やダンスってあんまり見られないから、とっても希少な気がして見いってしまいまいました。

歌詞はべったべったに甘ったるい。「悲しい時には俺がいるから~甘えなよベイビー~」っていう感じです(適当)。歌い方はソフトに、優しいけれどあまくなりすぎないラインを保ってます。やりすぎないのが坂本さんらしい。

 洒脱な感じ、素敵です。