のったりのたりと

V6の坂本さんを中心に、アイドルさんたちを

ONE MAN STANDING Ⅴ

ブレイクタイムと甘い時間

 

全開で飛ばしたロックメドレー、アンサンブルさんたちがはけて、坂本さんはステージに残ります。客席からは拍手。

そして格好良くキメキメの後には、ぜーはーしている坂本さんが一人取り残される。これを見られるのはコンサートの醍醐味ですね。(違うだろう)

まあ舞台だと、ぜーはーしているところは仕舞ってあるわけですが、ここはコンサートなので見せて良いでしょうという演出なのだと思います。

坂本さん、お疲れです。しんどかったようです。それはそうでしょう。フットルースの一曲をフルでやるだけでも相当きついはず。監獄ロックまでまとめ出しすればどうしても厳しいよね。でもお客としては大満足です。というか、それくらいしないとオタって満足しない貪欲な生き物なのです。

V6さんでも、こっちは吐きそうと思うくらい踊ってやっと、お客さんにはちょうど満足できるくらいになると、健くんが語っておられましたね。エンターテイメントの世界って厳しいな。

 

ソロコンとなると、どうしても必要なのはブレイクタイム、給水です。

今回のステージではそのために、ステージ上に小さな丸テーブルと、高めの椅子がセットされています。テーブルの上にはグラスと水の入ったボトルが置かれて、ちょっとバーの隅っこみたいなおしゃれな雰囲気。そして水を注いでグラスを煽る坂本さんの手つきが、お酒を飲んでいるみたいで、なかなか目に楽しいのです。素敵な演出をありがとうございました。

 

しかしここでは優雅にグラスを傾けて見せるような余裕はないようで、やけ酒でも煽るがごとくに、水を飲み干す坂本さん。グラスをあけてさらに水をついでとやっているうちに、客席からはだんだん笑いが。

「がんばれー」という男性の声も会場から飛んでいました。(この日、V6さんから長野さんとイノッチくんが見学されていましたので、その声だというファンの方のレポも見ましたが、残念ながら私には聞き分けられませんでした。オズを観劇した時の、ハードリピーターな男性ファンの声にも似ていると思った)

がっつり給水して「はぁーっ」とはっきりマイクに入るくらいに大きく息をついた坂本さんに、何故か「おおーっ」と反応する観客。確かに息づかいもセクシーでした。

「ミュージカル・フットルース、オールシュックアップ、お楽しみいただけましたか?」

どうにか呼吸を整えて話し始めた坂本さん。観客は拍手でこたえます。

「当時も、ほんとにきついミュージカルだと思っていましたが、14年後、もっときつくなっていました。‥‥‥見る側は良いですよね。当時を振り返っていただけましたか?」

客席、拍手。しかし坂本さん、このへんまでの会話は本当にきれぎれでした。そして、えーっととかあーとかの、繋ぎも入る。けっこうぐだぐだぎみのおしゃべりです。

「オールシュックアップはプレスリーの名曲を集めたミュージカルなんですが、一曲だけね。これも有名なバラードなんですが、愛の告白で歌う所で、何故か好きな美人に本で叩かれて終わる。千秋楽は縦で叩かれました。そんな思い出深い曲を、今日はせっかくなので歌い切りたいと思います」

次の曲の予告に、客席は拍手。

「ちょっと、ちょっと、甘くなりますが‥‥」

曲名を言わなくても、察している方が多そうな客席からは、ヒューヒューと煽る声もちらほらと上がります。

小さな声で聞いて下さいと坂本さんが告げて、曲がスタート。

 

「Love Me Tender」(All Shoock Upより)

プレスリー以外にもたくさんの方が歌われているスタンダード・ラブソングです。予告の通りの、たっぷりと甘い声音で、ストレートすぎる歌を坂本昌行バージョンで。

 

舞台では、坂本さんの演じるチャドがミス・サンドラに愛の告白をしようとしてぶった切られるというコミカルなシーンで歌われた曲ですが、坂本さんのご説明通り毎回きっちり途中までで打ち切られるので、オタ的には最後まで聞きたーい!でも思い切りたたかれるチャドもかわいい!と葛藤していたのでした。

 

今回は止めるものは何もないので、とっぷりと甘い世界に浸るが良いという感じです。

「Love Me Tender  Love Me Sweet 離さないで 俺の人生は君のもの

Love Me Tender   Love Me True 胸の中で 生き続けるのさ いつまでも 」

一番を日本語の訳詞で歌って二番は英語の歌詞でした。並べて聞くとやはり英語の方がおさまりが良い感じです。坂本さん、英語での歌も発音が綺麗な気がします。(こっちにヒアリング能力がないので真のところは解りませんが、言葉として聞き取りやすい)

最後はまた日本語に戻ってサビをリピート。

一番最後の「いつまでも」の繰り返しは、ワンフレーズだけアカペラで、そのあとは伴奏が戻ってきてやわらかなスキャットですっとフェイドアウトでした。

甘すぎるくらいの声で、甘すぎる歌詞を歌っているので、ともすると笑ってしまいそうなくらいですが、ここは素直に浸って聞いておりました。

このストレートさは、古き良き時代の曲ですね。